古来、人間は他の生物とは異なり、生活の為に常に自然を活用し環境に合わせた道具を作り続け今日の製造業の基礎を築いた。現在の大企業の創業者は全て職人である。 又、隔絶した島ゆえに、知恵を働かせ他国とは異なる固有の技、世界が注目する技を創出できたのである。 時代は大きく変わり、技術革新によって手作り品は例外なく成型品に代わっていく。 戦後の発展の基礎は経済優先であるが、他を振り返らない急速な変貌が弊害となり様々な形で問題が現れた。 極まった一例が新聞やテレビに日々報道されている犯罪だ。 凶悪な事件があまりに多い。このムードは社会全体の風潮として捉えるべきである。文化意識にも当然波及し、悠久の時を経た多くの技が、昭和と平成の僅かな時間に集中して消滅する。 過去になかった醜態、しかも対策は何もしていない。ここにも知的貧しさが露出する。巷を見れば、身勝手な感情優先のムードが溢れ、情報は常に都合良い方向に向かい、市場の軽薄さも、いい加減で嘘くさい。消費者が騙されている事件も多い。各位が知りうる業界の内情を見れば、その嘘くささがそれなりに分かるはずだ。 事故米の食用転売事件もこれである。 見抜く目も、指摘する手段もなく、手作り技もこのムードに晒され問題は満載である。 考えなしの急速な発展は、自然環境にまで及び、均衡を失ってまさに異常だ。温暖化や砂漠化など地球規模で変貌している。 昨今の天候も異常である。南極の氷が恐ろしい勢いで溶ける為、南太平洋の島国が近い将来水没すると言う。 今や何もしない状態でも環境破壊が進んでいる。 手入をしない日本の森は同様に荒廃しており、森林関係者から守るには“手を加える職人が必要だ”と早くから指摘している。その材を使って作る職人がいて森で働く人が必要となり保たれるのだと言う。昔のように森林を根こそぎ伐採するのではない。 元気な森にするのである。この視点に立っての政策もゼロだ。従って、このサイクルを復活させることが日本の自然を守る一つに繋がる。こうした問題をふまえ、当会は職人にスポットを当てている。もとより職人はこのサイクルの中にいた人達である。 問題多い世の中の喧噪をよそに、職人達は自己研鑽を旨とし技を磨き続けてきた。「本物を作るからこそ本物をわかってくれる人に使ってほしい」と言う思いである。折角時代を超えて残った素晴らしい技、皆で活かしていきたいと思うのだ。 当会はウェブネットを活用し、鍛冶から組み紐、勝手道具に至まで、職種別に40分野の町を立ち上げ、これを表現手段として全国の職人を掲載している。近い将来、ネットで全世界へメッセージを発進し、日本の技と職人の誇りを認識させたい。その為には資金などの壁があるが何とか解決し実現したいのである。 又、行政と異なる立場から、今日の名工、大切な地域の職人達と共に自然育成を核とする平成の技文化活動の企画も推進したい。 職人による職人の組織として理想を目指すのである。愚痴になるが、今の寄付行為である。ここにも風潮が見える。 例えば、対象は全て感情機能で判断できるものであり、涙を誘う内容や手法、可哀相な話、感動的な話が中心で直ぐに分かるものだけである。感情機能だけなら、可哀相な話を聞く極悪人でも泣き、いい加減な人間でも涙話は出来る。ともかく良い事には違いないが、感動だけでは判断が狂うのである。知的要素がどの程度認識されているかは思考機能で判断する活動の実態を見ればわかる。 職人文化衰退、自然荒廃など大問題であるが、情報は走るが、全くアクションはない。政策も実践もない。ピントきていないのだ。 この現実は、わかりやすい感情的寄付行為の背景は単純と未熟であり、結果は良くても経過の実態はあまり良いとは言いがたい。考える力が衰退しているからそうなる。知的な国で無くなったとすれば、実に悲しい現実である。
【追伸】 持ちきれない資産を有する人達が世の中には数多くいる。 こうした人達の中にご理解頂ける方もいると思っています。 各位の身内や身近な方でご存知でしたら、この活動に協力して頂きたいのです。いつでも現地にご説明にお伺いします。職人の衰退、環境や自然の荒廃していく速さに対し、行うべき活動が牛歩ですが、無駄とは思わないようにしています。戦っている人が少なくなっては悲しいからです。理屈抜きです。 ともかく情報をお待ちしています。
ミュージアム 見せるエリアとして設立した。ギャラリー、特別企画、展示館と3区分した。
(1)ギャラリー 特定職人の個展で、作品を20点以上展示する。最大20職人程度とする。
(2)特別企画 同種作品を集めたり、新テーマで異種職人の作品を集めたり、新事業として新たな世界を創作したり、又、作品数が少なく個展を行えない業種をテーマでまとめたり、使う側からのアイディアを活かす企画を具現したりと、日本の技文化に極めて重要な意味を持つコーナー。日本職人名工会の発展と大きく関与するエリア。
(3) 展示館 展示館とは、上記ギャラリーや特別企画が日本職人名工会指示で行うのに対し、展示館は職人個人のエリアとなる。内容及び形式も自由である。個人職人の自薦の作品とその紹介を軸にした作品展示サイトとなる。名工会のサイトに個人制作のホームページのリンクが不可の為(第17条参照)、その見返りとして作ったエリアである。但し、個人のサイトではあるが、初めの制作は日本職人名工会として無料で立ち上げることを原則とした。 しかし、基本的には個人サイトの為、変更及び入れ替えは、サイト制作費として実費程度を徴集する。本有料案件については日本職人名工会の活動に寄与すべきとの多くの職人の好意的意見で決定した。基本的には参加全職人を対象とする。