職人の住む町
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江戸凧と言えば江戸から3代目の橋本貞造(故)という不世出の凧の名工がいた。
歌川派の最後の継承者である。常に一緒に凧を組み立てていた奥さんは、現在100才ぐらい、長寿である。国宝にしてもいいような人であったが、晩年まで貧乏であったと言う。関係者は今でも日本の文化程度の低さを残念がっている。繊細にして勢いとスケールのある武者絵は他の追従を許さず、多くの人に感動を与えていた。志村氏もその一人である。橋本氏を尊敬し、何回かの指導を受けている。“あと三年 貞造”と凧に書かれ、誉められた喜びは一生の名誉と言う。得意な事を押さえるのが技と、その神髄も伝授され、志村氏の凧絵を今日まで支え続けている。
江戸凧と言えば現在も何人かはいるが歴史の伝承者として考える時、職人と言うにはお粗末であり、夜店の縁起物売りといった感じである。又、絵の上手な人もいるが、マニア的な自己顕示が見えるわりには模倣的な面がちらつく。と言った感じで扱うには遠い。
実は志村氏は凧を含めた文字のデザイナーである。しかし自然な物腰は人間としてのバランスの良さを感じさせる。凧が出来ると即、荒川河川敷にいって大空へ。空を見つめ凧と一緒に広い空を舞う。大空を独り占めする気分は、現代人が忘れていることであろう。志村氏は地元では有名人、ここに江戸からの技を伝承し活かそうとする凧の職人がいる。

■ 歴史
江戸時代に隆盛を迎える。(文化、文政の頃1804〜)


  プロの文字書き(レタリングデザイナー)歴36年。雑誌社の版下担当。現在フリー、凧作家としては25年。橋本禎造氏の講習後、凧の友人より凧作りを教わる。
はじめた頃は、2割程度の確率だった成功率が凧作り5年位から、作れば完全に揚る確率が10割になる。今は揚げる凧よりも自分の好きな絵を画き発表している。
  今までに無い縦長の掛軸凧を考案し、空を床の間に見立てて絵画を家から開放し自由で伸び伸びと自分の画いた絵を楽しむ。
 
  好奇心と粘り強い根気。
  1人でも若い人が凧を好きになって頂き、凧の技術を伝えてもらいたい。

 

職人名 志村康夫(しむら やすお)
雅号又は銘  
生年月日 昭和24年3月29日
職種(種) 江戸凧
作品(アイテム) 凧、掛軸凧、祝凧、オリジナル凧、他
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
約3年。和紙は埼玉、小川和紙を使用、竹は長い角松の竹を2年間乾燥させたもの、糸は強く美しい麻糸、着色は空に揚った時に透明感の出る染料を使用。
技の種類や工程
凧絵を画き、竹を削る、糸目をつける、仕上げ、全行程をひとりで行う。
現在の立場(役) 現役
次代 他  
   


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