職人の住む町
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世界的なピッケル鍛造鍛冶

(“ピッケル”とは 雪や氷の壁を登る時に使う道具で足場の確保、耐風のアンカー、滑る時の滑落停止など様々な用途がある杖のような冬期極低温の山岳道具です。)
職人になる為に生まれてきた親方。指物職人の家に生まれ、学徒動員で鍛冶を学び、戦後、刀鍛冶の弟子となった。様々な問題や紆余曲折を克服しての積み重ねた経験とその技は“鍛造の鬼神”が宿ったのか“絶対に超えるという信念と挑戦力”を持ち、成るべくして“火造りピッケルの世界的な製作者”になったと思われます。ナイフや包丁も造っていますが、鍛造の成果及び刀鍛冶の技を活かし他とは違う親方の世界を造りだしています。よく聞く“こだわる”といった軽い言葉ではなく、きわめて手本となる本物の職人です。強運であるかのような“親方にすれば感謝する数々の出合い”も“立ち向かう姿勢”ゆえに備わった“人を動かす力”であり、必然的なものと感じます。
多くの“本物の職人”とお会いしますが、間違い無く好奇心が強い人達です。試行錯誤とは地味な活動ですが、糸が切れるほど張り詰めているものではなく、自己の信念と積み重ねた技が背景にあり自然体で挑戦しています。
従って厳しさに対し“辛いとか大変だ”とかをあまり考えません。“妥協を許さない自己の確かな納得”を信じて研鑽すれば克服する喜びが待っていると言う事を経験から知っています。備わった器は何事にも真剣になる要素を備え、私生活においても後悔しない生き方をしている人が多いようです。親方の挑戦は若い時からスキー、バイク(最近迄のっていた。)、音楽、そして自家製パン焼窯の製作、さらにパソコンへの挑戦とパワー全開です。
「挑戦するとは」思っているだけではなく行動し結果論ではなく“自身のグレードを高める”事と理解したい。本当の“楽しい実感”とは、自分が作られていく背景があって、始めて“心からの楽しむ”といったことが生まれると思える。
親方を名工会の特別なステージ“殿堂”に推薦したい。


  昭和6年生まれの75歳。戦時中、学徒動員でトヨタ自動車に入り、配属されたのが鍛造で鍛冶を経験した。
戦後、刀匠 藤原武則に師事、4年間の修行の後独立、善則の銘を頂き以後、二村善則として現在に至る。
  ピッケルに於いては冬期極低温の山岳での使用に耐える材質の選定に苦労しました。現在、使用鋼種 「SNCM447」又、シャフトの素材探しは国産材では低温にもろく脆く粘りも無い為、八方探して現在のアメリカンヒッコリーに至っている。ナイフにおいて鍛造は不可能と言われた鋼種がある。「ATS34」これを可能にするのが私の役目だと思っています。“何故不可能か”というのは熱管理の難しさですが800〜850℃までの50℃の違いを目視で瞬間に判断をします。この温度より高ければ鋼の組織が壊れ、低ければ硬くて伸びません。この鍛造技術をマスターするのに2年かかりました。
 
 
     
  試行錯誤
   

 

職人名 二村善市(ふたむら ぜんいち)
雅号又は銘 善則
生年月日 昭和6年3月31日
職種(種) 鍛冶
作品(アイテム) ピッケル
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
4年
技の種類や工程
火造り鍛造 フルインテグラルナイフ(一体化鍛造ナイフ・削リで造ると7割は無駄となるが、鍛造で造ると2割り程度となる。火造り加工の難しさから、出来ないと言われていた材料でありそれを可能とした。)
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他  
     


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