職人の住む町
HOME 名工会の主旨 名工会の概要 職人の町一覧 職人技市 日本の技博物館 応援団 検索
common

桜井英之プロフィール

1s根付
2s根付 3s根付
hkey

根付は世界に誇る日本独自の文化。“希代の根付師”世界の頂点を走る。

根付創世記のように一点物を専門に作る形を継承し “現代根付”という括りで進化させ活動する職人がいます。この代表格の一人が桜井英之親方です。日本の根付彫刻の大会における審査、あるいは各国で行われる根付大会に招待され参加したりします。大英博物館での実技指導も美洲親方と共に依頼され、多くのファンを集めメデイアに乗るなど話題となりました。作風は、伝統の根付を強く継承し、日本の様々な伝統な加工技を加える技法です。象牙彫刻、木材彫刻、金属加工、象嵌、漆、彫金など多彩な技を活かし、法隆寺の宝物殿等にある刀子の象牙鞘に見られる撥鏤(ばちる)という象牙の彩色技法もあって、見応えのある美しい根付をご覧頂けます。多彩な技の中に独自の世界を確立している所以であります。根付と言う小さな彫刻ゆえに、互いの自己表現を尊重しながらも、作風を張り合う面白さも根付の特徴です。今回のご紹介は、日本の独自の文化として発展してきた素晴らしい根付の世界、今や世界的になり、本場日本のお家芸としてその頂点にいる親方を掲載できたことは、正に日本一の根付展示館の出現であります。 それと職人にはいくつかの形があります。例えば、江戸の根付最盛期から近年まで、同種のものを複数作れる職人がいます。英之氏の兄、桜井家の党首、広晴親方はその代表格で、それも職人の生き方、両面をお見せ出来る事で非常に充実し満足しております。


4s根付 5s根付 6s根付 親指程の象牙に情感と情報が詰め込まれています。


common
common
根付の歴史
 

根付とは、サイフや印籠等を落とさないように固定する小道具です。紐を付け、先に小さな3cm程度の玉状のものを付けます。 この玉の事です。使い方は帯下から入れて根付を上に出しますが、この単純な仕掛けで、盗まれたり落としたりを防ぐのです。丸い玉には 360度彫刻を施しますが、これが江戸時代に始まった根付の彫りの特徴です。根付が開発された経緯ですが、日常使っている持ち物や小物、 例えば、火打石等を入れる提げ袋を持ち歩く場合、着物には納める場所がないのです。そこで吊るす方法を考えました。当初は大陸から 伝わった僧侶の袈裟を止める輪をヒントにした“帯ぐるま”。あるいは中国の印鑑等には穴が開いており、こうしたものが“ヒントになった”と 言う人もいます。瓢箪や竹の節、クルミ等も同じように使われていました。立体彫刻表現“形彫り根付”の登場は 1700年代初期です。1781年刊行の「装剣奇賞」(大阪の商人 稲葉新左衛門が刀装具を紹介した一大目録)に根付の項があり、当時の名人作家が 記されています。この書を境に前期を古典根付と私は考えます。“根付とは何か”といった試行錯誤が様々な形で模索し、その面白さや創意工夫 ゆえに海外の人達を感動させ“the netsuke”として注目されているのです。作家の姿勢と創造性に溢れ、根付彫刻の基本であり、原点、故郷です。 技術的には後の時代に劣っていますが“自由な力”と心意気、意欲、発想、多彩さに感銘を受けるのです。この試行錯誤に学んでこそ “根付とは何か”の答えが出ると思います。歴史から教えられるのはどの分野も同じです。文化が育つ経緯、学ぶと言う経緯が重要であります。 “作家の姿勢や努力”その全てが根付の歴史であり、私の原点であると思っています。

common
common
技の種類
7s根付
 

材料から完成まで 各種素材 象牙、木材、金属、鼈甲 テーマ 人物・花・森羅万象

common
common
title
  修行時代 桜井家は根付彫刻の家系であり、父の先代広晴の末であります。兄 ふたりも根付師であり、当時は多くの根付職人や仕上げ職人なども身 直にいて学ぶと言うより自然に覚えていったようです。 師匠は先代の桜井広晴であり父であります。
haikei
hki
hkei
title
  自己作品の特徴 作品の特徴は、過去の伝統を引き継ぐ意識を重視しています。加えて何が出来るのかを新たな姿勢としてそこに加えます。その為の技を様々な角度から駆使するため、それを習得してきました。作品の判断は、どの様に見ていただけるかでも変わってきますが、趣味的趣向のものですから、気に入って頂ける事が最も重要です。その意味では作品には作る人の張りが必要です。愛着のある根付を人に見せる時、相手と異なる趣向で見せることが、粋な勝負となります。細工、あるいは造形、あるいは美しさ、不気味さなどいろいろです。作る側からすればそれは歴史を継承してきた根付師の生き甲斐でもあります。難度 全てを小さな彫刻にまとめる為、その人の捉え方にもよりますが、簡単なはずはないと考えます。常に作品ごとに新たな発見と変化を期待するものであり、それが現代根付の張りであり粋であり見せ方でもあります。
haik
 
common
haikeei
common
座右の銘
  心掛けている事 根付としてどうあるべきか。自身表現をそこにどう見せられるのか。お客さんの満足感が根付には必要です。従って掲げるテーマは要求から必然的に高くなります。この水準を心掛けていくしかありません。当然、自身で納得出来なければ恥ずかしく、今を常に踏み台にし、もっと良い企画、もっと感動と・・努力はしています。集めている人達はそれを期待します。それに答えることが根付師の姿勢となり、技以上に思いを育てることが日常の姿勢であります。
common
haikay
haikei
title4
  次代の人達に 現代根付とは“作品を残していく”意識を常に持っての挑戦です。古根付を作った当初はそんなことは考えてはいなかったはずです。しかし結果として日本を代表する技文化となっていまも素晴らしさを放っています。この経緯をやはり意識します。勝負でありますが、後世に残っていく良い現代根付の歴史を残すことは、日本の根付師としての姿勢は重要であります。根付を熟知し、各自がその手本になる気持ちを持つ事です。

 

haikei
職人名 桜井英之(さくらい・ひでゆき)
雅号又は銘  
生年月日
hki
職種(種) 根付師
作品(アイテム)
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
数ものを行う事は無いため、パーツの製作等もなく、従って手伝える事は無い。出来るようになる為には、自身の納得もありやはり10年は必要と思われる。
技の種類や工程
象牙の他に、木製、角類があります。当然、使う彫刻刀など道具も技もまったく別になります。しかし、根付をやる以上、技の違いは超えなければならないものです。習得する事も材料の質を知ることも専門家となれば当然挑戦すべきです。
現在の立場(役) 現役
次代 他
 
    展示館
haikeey


戻る

common
Copyright (C) 2002 WAZA All Rights Reserved.