職人の住む町
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庶民の実用漆器から始まり、高級実用漆器となった輪島塗のルーツは紀州の根来に由来すると言われている。非常に共通点も多いと言う。
600年以上の歴史があっても明治初期の頃までは圧倒的に無地のものが多かった。もちろん沈金は1700年前期から蒔絵は1800年前期あたりから作られてはいた。輪島塗りの凄さは加飾の技もあるが何と言ってもその特徴から上塗りまでの技を挙げたい。実用漆器でありながら上塗りまでの工程で6ヶ月から1年もかかる。漆を塗る技をキュウ漆(しつ)ともいうが、生漆を惜しみなく使うところも輪島の豪華さである。輪島漆器の職人が納得するまでやった結果である。漆に混ぜものを変えながら何度となく塗る。その間に磨く工程が入り、段階を踏むごとに塗りも磨きも形を変え様々な技で処理していく。特に地付けや布着せは漆器の善し悪しを決定付ける。気の抜けない下地の作業である。地付けは“地の粉”と言われるものを漆と混ぜて使う輪島独特の技である。輪島の山から出土する珪藻土で、おが屑と混ぜて750度で蒸し焼きにする。
硝子質で微小な殻孔があり、生地と漆の吸着性、断熱性などを増す優れた下地材である。粒子を分けて三辺地まで行う。布着せと相まって丈夫で剥げにくい漆器の代表格となる由縁である。仕上塗り塗蔵と呼ぶ埃のない場所で仕上を行い、乾燥は湿度の高い室でかわかす。ここで塗師の仕事は終り、華飾の職人に渡す。輪島を見る時ここまでの作業が実用漆器としての本来の輪島塗りと言って過言ではなく、腕の見せ所ながら、現実には華飾に注目が行き縁の下の力持ちといった見え方ではある。しかし本物の職人技が要求される為、ここに嘘があってはならない。従って輪島塗は現役バリバリの塗師の親方から紹介することにしました。
本物の漆は世界で一番強い塗料と言われている。年月を経るほど本物は透明感を増し、底艶や使い艶が出てくる。器の輝きは持つ人の扱い方で大きく違ってくる。一般的には漆は扱いが難しいと思われているようだが、強い塗料なのでちょっとしたコツさえ飲み込めば普通に扱える。

  修行は22才からですが私の場合、幼少の頃より手伝いをしなければならない状況に置かれましたので、修行と言っても当り前の気持ちでしたので、苦労はなかったと思います。苦労と言えば、売れる商品作りです。
  私の作品は第一に、使い良い商品作り。10年、20年経ってもびくともしない商品であることが心情であります。また日本は四季がある為、漆の乾く早さがその季節で変ってきます。その点が一番難しいと思います。修行をしないと一人前と言えません。
 
  自ら思考し、創造し立ち行う。
  今、伝統工芸は大変な時期を迎えています。数年すれば絶える工芸品が出てくるでしょう。
頑張るしかありません。

 

職人名 津田哲司(つだ てつじ)
雅号又は銘  
生年月日 昭和22年1月20日
職種(種) 輪島塗
作品(アイテム) お椀、ビアグラス等
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
10年。私共の場合、分業製作をしており、木地、彫り、蒔絵、沈金に分かれており、次の人の事を考えて仕事をする事が大切です。いい加減にしていますと商品は仕上がりせん。
技の種類や工程
技の種類はヘラと刷毛を使用し数限りなくあります。技法は自分で考えるものであり、他人の技術を盗むものであります。工程は127工程〜130工程あります。
現在の立場(役) 生涯現役 勉強は死ぬまで。
次代 他  
   


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