職人の住む町
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太鼓を叩いて、ふれ回り、子供たちは紙芝居が来たことを知る。遙か昔の思い出である。水飴を竹の串でこね回す。空気を含んで真っ白になる。白い方が勝ちでおじさんから販売物の何かをもらった。ソース煎餅は海老煎餅の2枚の間にソースを挟む。今でも駄菓子屋にあると聞くが、店自体がほとんど見られなくなった。この海老煎餅を爪で中央を丸く切り抜き次第にその穴を広げ、輪っかにして割れないように注意しながら細く爪で削っていく。
出来るだけ細い輪にした方が勝ちである。こうして紙芝居屋さんは売る時間を出来るだけ長くする工夫をしていた。子供達は早く始めてほしいので中には文句を言うものも出てきて、やっと紙芝居が始まる。人気のある紙芝居屋さんはこの時間の使い方がうまい。感じのいいおじさんかどうかもここで決まる。路地には結構子供が集まる。いつもストーリーを盛り上げて終わるので毎日が楽しみであった。
癖のある語り口の紙芝居屋さん、演技力の有る無し等、子供ながら皆んな分かっていて多少の評価もしていた。テレビもなかった時代である。
梅田氏は本格的な演技をする。見る者を引き込む、女性の声もお内儀から娘まで、声の質を変え、多種の言い回しで区別する。まったく年令を感じさせない立ち姿、エネルギーと風貌、声の張りそして粋な様子は親方の大きな魅力である。過去の生き方を紙芝居に封じ込め、出たとこ勝負の即興劇を今に生かす。
最盛期には東京に2500名、全国で5万人の紙芝居屋さんがいた。子供達の夢であった風俗文化であり、正に時代の一ページであった。伝統や伝承ともまた違った保存する意味と価値を以て紙芝居は伝えられている。

■ 歴史
紙芝居の起源は江戸にさかのぼる。写し絵と言われ幻灯機(風呂と呼ばれていた)を使いガラス板に絵を描いて入れ替え、スクリーンに写った絵を見て、説明を加えた。明治頃は落語や説教節などと結びついて興行がされていた。
落語家の円朝の弟子の新さんと呼ばれていた人がこの写し絵を紙人形に変えて挑戦をした。インドネシアなど東南アジアに見られる人形で、皮で切り抜いた人の形を棒の先に付け、回したり手を動かしたりといったあの感じである。これを見た人が紙芝居といった。このスタイルがしばらく続いた。
昭和初期の不況時代に上野下谷にスケッチブックに絵を描いて見せながら話をし、飴を売る人が現れた。これが大人気で、やがて゛魔法の御殿″と言う今の紙芝居が出来ていく。昭和5年頃の話である。紙人形を動かす物を立ち絵と言い、我々が馴染みのある紙芝居を引き絵と言って区分した。当時、引き絵の中に紙人形を挟んで動かす物を何かで見たように記憶しているが今納得した。これも日本独自の文化として一世を風靡した。

  子供の頃からみんなの前で話をするのは嫌いではなくて、受けたりするとたまらない快感でした。学校を出て、何年か働きましたが、結局、長谷川一夫の新演技座演技研究所で役者の卵を振り出しに、あちらこちらと渡り歩き、デン助劇場、多摩川園少女歌劇団でじじいと悪漢専門。そして、たんから芝居などを経験しました。病気になったことがきっかけで、サラリーマンに。その時はすでに30歳になっていました。結局55歳までサラリーマンをやりました。退職した頃、上野不忍池に下町風俗資料館があり、昔の紙芝居の自転車がポッンと展示されていました。時代の中で忘れ去られていくことを思ったら無性にやりたくなって、紙芝居のゆかりの人を捜し、大御所 加太こうじ先生を訪ねました。そこから現役の森下正雄氏を訪ね、快くライオンマンをお借りしました。昔取った杵柄(きねづか)で快調な滑り出し、気づいたらそれから20年以上になっています。現在も定期的に上野不忍池の下町風俗資料館で紙芝居を上演しています。
私の他にも関西などに何人かの街頭紙芝居屋さんがいるようです。
  まずは見てください。最近の会場によっては紙芝居を大きなスクリーンに写して上演しますが、江戸の写し絵の再現のようで、こんな事を知っていると、又、趣が違います。
 
  健康第一、体と頭と両方に
  弟子はいないので

 

職人名 梅田佳声(うめだ かせい)
職人区分  
雅号又は銘  
生年月日 昭和3年6月12日
職種(種) 紙芝居
作品(アイテム)  
技数(積)
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
人により様々。私の多種な経歴が役立っており、再現する上で、最も影響があったのは、寄席芝居(たんから芝居)というやつで、空き地に立てた掛小屋や寄席小屋でやる芝居で、演目はほとんどがチャンバラ。ストーリーは2枚目がめっぽう強い。この芝居の凄さは脚本がないこと。筋だけを説明されて出たとこ勝負、口立ての芝居(即興劇)である。慣れてくると時代口調になってくる。こうした経験が役に立っているようです。
街頭紙芝居・・・印刷紙芝居の上演と脚本作成
現在の立場(役)  引退
次代 他  


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