容貌の通り非常に強い神様です。 インドに端を発し、戦闘・平定や財の管理などが主な役割でした。後に各国を渡りながら その中で無骨ないでたちと険しさ、または出自からか強い神として崇められ姿を変えて行きます。 中国では武将と集合されたりと、各地でもより強い神様とされて行きました。

日本でも東大寺の四天王の多聞天として有名です。足下に鬼を踏みつける姿は象徴的で、 不動明王と並べ奉られることさえあります。それにあやかった上杉謙信の旗印も有名ですが、とかく強い力の持ち主です。 後に退魔こそは厄除であり、福徳をもたらすものと同一であるとして崇められ、ついに毘沙門が 福の神として「生み出して護る」仕事が人々に求められてゆきます。中国でも毘沙門天は戦闘神として おりますが、やはり諸悪を制する色合いが強く、「戦う福徳神」として敬服される日本の神様とは 若干違うようです。どんなに簡略化されても七福神の中で毘沙門天だけは険しい表情で描かれる イメージが強いのは守護者としての役割を託されて来た神様だからです。毘沙門天は福を もたらしますが、それを守るという役割を強く担っています。