「 江戸から続いた武蔵屋も平成22年に残念ながら閉店致しました。思い返せば皆様に支えられ初代より代々組合長を務めさせて頂いて参りました。かつてつげ櫛が国の贅沢品の指定対象となり、 重課税される話が出た時、初めて全国の櫛業界が“反対”の旗の下に一つになりました。それが日本木竹櫛組合でした。当時の武蔵屋四代目が全国を歩き回って音頭をとり何とか事なきをえました。 その時の印鑑や書類等が残っています。当代が会長の時に組合は解散しましたが、組合旗や当時の組合員の写真もまだ残っています。 多くの櫛屋さん、髪結いさん、大店の問屋さんなどにお世話になりました。当代の富田は、働き盛りの頃に美智子妃殿下のご成婚のお垂髪にさす櫛を作らせて頂きました。 この事は身に余る喜びでした。今回ここにご紹介させて頂く櫛は、当代が晩年に作り置いていたものです。お気に召して頂けるかどうかはわかりませんが、 皆様に最後の櫛を見て頂く事になりました。 長い間ご愛顧を賜りまして誠にありがとうございました。
“このようなつげ櫛を手に入れる事は今後できないのではないか”と言われる品ばかりです。 つげ材は鹿児島だけでなく御蔵や三宅のものもあり、50年も経つ材もあります。 恐らく先代から保管されていた板であったと思われるつげもあります。木質もつげ櫛として これ以上はないレベルまで硬く締まり、凝集されていて黄白色となっています。 しかも歪みを防ぐための油浸けをしていない江戸作りです。油引きなしで半世紀も歯が曲がらずにあるのは 昔からの職人の心意気として“俺の櫛は絶対に狂わない”と宣言してきた証です。 その状態は一見してつげである事を疑う程艶やかです。
最終在庫品の為、各一点づつの現品限りの販売となります。
歯数等、若干の違いの櫛の使用感はほぼ同じになります。また、お安くなっている品では見た目に多少難のあるものではございますが、ご使用に影響のあるものは掲載しておりません。極めて滑らかな美しい櫛であることも保証致します。
どうぞご了承頂きましてお買い求め下さいますようお願い申し上げます。
販売準備が整いました品から順次、不定期で掲載させて頂いております。
当会の作品は受注生産が基本であるため、自動で在庫数を管理する仕様になっておりません。
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