非常に綺麗な赤紫色の硯である。石の目は薄板が重なっており、紫雲状の斑点や緑色をした円形模様も入っている。此の緑色した石の層が上部にあり、この層も同様に硯に使われる。どこの石場もそうであるが原石があっても採掘層が深かったりすると経費蔓で難しいとのこと。
石の性質は輝緑凝灰石で、かの有名な端渓石と同系、学術的、材質的にも名石と認めるところである。摩墨も早く細やかで暖かく気品のある墨頃から水墨画など幅広い適合性がある。職人も少なく幻の石はさらに入手することが困難となっている。特に線の美しさと滑らかさを感じさせる作品はシンプルでありながら独特の雰囲気を感じさせる。高野山や京都などのお寺さんの館長が使うことでもうなずける。氏の技は素晴らしく、そして多くの実績がそれを物語っている。さらに凄いのは元気であることと創作意欲、そして常に自然体である。
■ 歴史
鎌倉時代に旅の僧侶が、大船渡長安寺に立ち寄り、石を硯として使用したのが始まり。その後、鎌倉へ持ち帰り時の将軍に献上し、その美しさから紫雲石硯と命名された。
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