職人の住む町
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非常に綺麗な赤紫色の硯である。石の目は薄板が重なっており、紫雲状の斑点や緑色をした円形模様も入っている。此の緑色した石の層が上部にあり、この層も同様に硯に使われる。どこの石場もそうであるが原石があっても採掘層が深かったりすると経費蔓で難しいとのこと。
石の性質は輝緑凝灰石で、かの有名な端渓石と同系、学術的、材質的にも名石と認めるところである。摩墨も早く細やかで暖かく気品のある墨頃から水墨画など幅広い適合性がある。職人も少なく幻の石はさらに入手することが困難となっている。特に線の美しさと滑らかさを感じさせる作品はシンプルでありながら独特の雰囲気を感じさせる。高野山や京都などのお寺さんの館長が使うことでもうなずける。氏の技は素晴らしく、そして多くの実績がそれを物語っている。さらに凄いのは元気であることと創作意欲、そして常に自然体である。

■ 歴史
鎌倉時代に旅の僧侶が、大船渡長安寺に立ち寄り、石を硯として使用したのが始まり。その後、鎌倉へ持ち帰り時の将軍に献上し、その美しさから紫雲石硯と命名された。


  私は兄弟が5人いましてその末っ子です。軍隊に志願し出世を考えていました。剣道が錬士5段で、どちらかと言えば硬派ですから、軍隊退役してもやがては剣道を 教えるといった事を考えていました。宮城生まれですが、父の実家で硯に興味を持ち、勤めながら趣味で始めたことが最初でした。山から少し離れていまして、山の近くに硯職人がいましたが今は全て廃業していると思います。
  石の良さは他には負けません。私が心掛けていることは、線ということです。単純な硯の形に色々な彫刻をしたりすることは私は好みません。線を究極の美しさまで高めていくと滑らかさも必要になり、硯全体のバランスも大切です。清楚でシンプルな美しさがかもし出されてきます。女性の舞い姿など動きの中にはっとする美しさを発見することがあり、良い石と向かい合い納得できる作品を作る時は、時として女性の舞い姿を見に行ってインスピレーションを大切に仕事にかかることがあります。
 
  "努力"が好きです。これが無ければ元気もやる気も起きません。後世に残る物を作っていくという自覚を持ってやっています。
  衣食足りて礼節を知る、やはり人間はバランスを心掛けて行くように作られているということでしょうか。努力をしなければならないようになっています。

 

職人名 熊谷利夫(くまがい としお)
職人区分  
雅号又は銘  
生年月日 昭和2年10月4日
職種(種) 紫雲石硯
作品(アイテム) 紫雲石硯
技数(積)
弟子入りしてから手伝えるような状態になるまでの期間
次代、素人から始めて手伝えるような状態になるまでの期間
単純作業は石運びから出来ますから、その人のやる気ですね。何年やっても蔵目な人は良いものは出来ません。感性が大切です。
技の種類や工程
石掘りから始めます。切り出して削り、最終処理までひとりで行います。
現在の立場(役) 生涯現役
次代 他  
   


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